事務所名「おかげさま」の由来

ヘルプマン

なぜ「おかげさま」なのか、とよく質問を受けますが、事務所設立のきっかけとなった

ヘルプマン!

を読んだ直後に、この言葉を事務所名としよう、と自然とひらめきました。

このようにひらめきから決めましたので、改めて理由を問われると難しいのですが、今振り返ってみますと、ひらがなで親しみやすい、変わっていて覚えやすいといったメリット以外にも、次のようなことがあったと思います。

介護の扉を開くキーワード

「おかげさま」という言葉は、何より高齢者の方がよく使うものでした。この言葉は、介護業界の扉を開くキーワードだったのです。
そのことを最初に確信したのが、ある施設を訪問して、車椅子を押すヘルパーに「お加減いかがですか」と聞かれ「ええ、おかげさまで」とお婆さんが答えたのを耳にしたときでした。

それ以外にもよく施設では耳にしたし、相談中にもよく出てくる言葉だったのです。「やっぱりお年寄りの共通語だったんだ」と実感しました。

「最近の若者言葉は…」?

逆に「おかげさま」は、若い人程使わない言葉といえるかもしれません。代替する表現も、「若者言葉」からはあまり見つかりませんね。

いわゆる若者言葉の中には、確かに合理的理由があったり上手く複雑な感情を表現しているものもありますが、「うざい」「超」「ヤバい」など、いたずらに物事を誇張したり、ネガティブな方向のものがどうしても目につくように思えます。

感謝したり、謙虚になるような言葉がそもそもないのです。ということは、若い人ほど感謝しない、といえるのかもしれません。言葉が思考を司り、行動を定義付けるものです。

感謝し合える世の中を…

まだまだ未熟者の自分がいえる立場ではないかもしれませんが、結局何かにつけ「感謝」することが、豊かな人生を送る鍵ではないかと思います。

感謝する人ほど他人を逆恨みしたりしないので、無用なトラブルにも巻き込まれないのではないでしょうか。「有り難い」と思う習慣を身に付けることで、不平不満や憎しみといったネガティブな感情を寄せ付けないことができるのです。
マイナス感情は視界を狭め、客観的な判断能力を曇らせます。

抜け目ない人に言わせれば、単なる「損な性格」なのかもしれません。しかし日頃から感謝をする人は、周囲に恩返しをしたいと思い人のために尽くすので、困ったときには必ず周りが助けてくれるものです。
いつ誰に蹴落とされるか分からないといった疑心暗鬼の殺伐とした空気よりは、信頼し合い助け合える関係の方がずっと皆にとって住みよいものであるはずです。

また、超高齢化社会を迎えるにあたり、「感謝」を思考回路のベースに据え直すことは極めて重要ではないかと思います。

昔の人は、社会全体がまだ貧しく生活が苦しかったため、自然と助け合い、「お互い様」「おかげさま」の精神が身についていたのでしょう。ところが近時物質面で豊かになるにつれ表面的な「自立」が可能になり、助け合いや感謝の心が失われてしまった。団塊世代の消費者至上主義以降その傾向は顕著であるといえるでしょう。

これは現代における日本人当人の資質の問題等ではなく、純粋に育った環境が原因であると思います。だからこそ今後は、貧しい時代に戻れない以上、意識的に「感謝」に重心を置くような世の中を創っていかなければならないと思うのです。

そのためのキーワードとして、昔ながらの「おかげさま」が主役としてうってつけなのではないかと思います。 「勿体ない」という言葉同様、非常に日本人的な言葉であり、独自の思想・概念として国際的にもそのまま通用する可能性を秘めています。

不思議な言葉、「おかげさま」

おかげさま

「おかげさま」とはよくよく考えてみればおかしな言葉であって、そもそも「誰の」お蔭なのかが特定されなくても、単なる挨拶としても使える言葉です。その場合には、一見感謝しているようで、実は具体的に誰かに感謝しているわけではないのです。だからこそ「取り敢えずの挨拶」になり得るのでしょう。

さりげなく感謝の念を伝えるために、主語を省略し、かつ「様」をつけることで今度は逆にわざと大袈裟なイメージを創出し、ある意味「茶化す」ことで場の雰囲気を和らげようとしている。
挨拶としての「おかげさま」には、そんな先人の意図が感じられます。しかしそういった昔ながらの知恵は、現代において正に危機に瀕していると言わざるを得ません。

ちなみに「午前様」という言葉にも同様の思考過程を感じるのは私だけでしょうか。
飲み会で夜明けに帰宅した亭主に向かって「夕べも午前様ですか」等と妻がチクリと刺す場面などが想像されますが、帰宅が遅れたことを単に責めるだけでなく、「様」を付けて敢えて大仰に持ち上げることで、逆にそれほど大したことでは無いというニュアンスを伝えようとしているように、私には感じられるのです。
これが「あなたは夕べも帰宅した時刻が午前零時を経過していた。」と単に事実を描写するだけでは、身もふたも無くなってしまいますよね。

結局私は、「おかげさま」という言葉を世の中に広めたいのです。必ずしもこの言葉でなくとも構わないのですが、先代の生きる知恵の結晶であるこの言葉を、お年寄りだけのものにしておくのはもったいない。

特に若い世代の人に、「おかげさま」と言うことで些細なことでも感謝する癖を身に付けてほしい。そして不毛な争いの無い、誰もが住みやすい世の中になってほしい。

僭越ながらそんな思いで、この言葉を事務所名として掲げています。

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